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ニュース 2008年

11月8-12日 アメリカ心臓協会(AHA)学術大会

3万人近い基礎と臨床の研究者と医師が世界中から集まるAHA大会がニューオーリンズ(ルイジアナ)で開かれた。会期中の9日には、スタチン開発における遠藤とアル・アルバート(メルク)の業績を讃える部会が開かれ、アントニオ・ガットーらが講演した(下図)。

10月14日

午前:ラスカー賞受賞で寺田秋田県知事を表敬訪問

午後:秋田県由利本荘市のラスカー賞受賞祝賀会で講演

10月1日

国際教養大学(秋田)で特別講義

9月25-26日 ラスカー賞授賞式

9月25日 : Wall Street Journal社でビデオ取り

ウオールストリート・ジャーナル本社ビルは、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロで破壊された世界貿易センタービルに隣接する。そこのスタジオでPeter Landers 記者のインタビューから受賞の喜び、スタチンを服用しているのかなどの質問を受ける。

朝食会

8:00AM-9::30, “Biomedical Scholars Breakfast"。受賞者5名と米国立保険研究所(NIH)“の若い研究者10名が一緒に朝食を取りながら、気軽に意見を交わす朝食会が授賞式会場のPierre Hotelであった。受賞者たちが若い研究者たちの悩み、不安に答え、研究の夢を語る、肩のこらない楽しい朝食会であった。

記者会見

Financial Times(英)と国内メデイア3社の取材を受ける。

ラスカー賞授賞式

下記写真4点はラスカー財団から提供されたものを転載。

9月18日

日本油化学会第47回年会で「コレステロール低下剤スタチンの発見と開発」と題して特別講演(日本 大学理工学部駿河台キャンパス)

9月14日 午前6時(米国東部9月13日):2008ラスカー賞受賞者発表

New York Times:
http://www.nytimes.com/2008/09/14/health/14lasker.html

“5 Pioneering Scientists Win Lasker Medical Prizes"

 

Scientific American のWebsite:
http://www.scientificamerican.com/blog/60-second-science/post.cfm?id=cholesterol-drug-scientist-receives-2008-09-12#commentscomments

“CHOLESTEROL DRUG SCIENTIST RECEIVES "AMERICA'S NOBEL": ENDO PINPOINTED BASIS FOR STATINS"By Jordan Lite

 

東京商工会議所で、東京農工大学(小畑学長)の特別栄誉教授称号授与式が催される。式後同会館で記者会見、12社20名のメデイアが出席(下の写真)。

9月13日

ロイター通信のWill Dunham記者からEメールで以下の取材。
1. What are your feelings about getting this award?
2. What do you see as your main contributions to science?
3. How do you feel statins have changed medicine and did you comprehend the importance of the discovery at the time?
Scientific American 紙のJordan Liteニュース記者からEメールで取材。受賞の感想、私の血中コレステロール値などについて取材。

7月30日

14:00から、バイオファーム研究所で、ラスカー財団のWebsiteに載せるビデオ録画撮り。プロデユーサーはSusan Hadary(メリーランド大学医学部)、撮影はJeffrey Cookeで、千芽(長女)が助手を務める(下の写真はビデオの表紙)。

7月11日

生化学の教科書(英語版)として世界中で親しまれ、「レーニンジャーの新生化学」のタイトルで邦語版(広川書店)も出ている書き教科書台版が出版された。

Albert Lehninger, David L Nelson, Michael M Cox(著書). Lehninger Principles of Biochemistry Fifth Edition (June 15, 2008).(リンク

本書にノーベル受賞者約70名を含む100余名の生化学者の業績が顔写真つきで紹介されている。第5版では小生もこの仲間に入れていただいた(pp.84-843、上の写真)。スタチンの発見と開発が生化学分野でも評価されたもので、身に余る光栄。若いころ、教科書に載るような科学者になれたらと、あてのない夢を抱いた時期があったが、それが正夢になるとは思ってもいなかった。100余名の中にはコレステロール生合成経路を解明したK Bloch, F Lynen, J Cornforth、とLDL受容体を発見してコレステロール代謝の研究で画期的な業績をあげたJoseph Goldstein とMichael Brownの計5名のノーベル賞受賞者が含まれる。 登場する生化学者には若いころから米国で活躍する野村正康が含まれるが、それ以外の日本人は小生一人だけなのに驚く。

6月24日

ゴールドスタイン博士(授賞選考委員長)から2008ラスカー臨床医学研究賞の授賞者に決定(6月23日)したとのEメール。

5月26日

主な天然化合物の発見と合成の歴史を簡潔にまとめた化学の本(下記)が出版された。

K C Nicolaou, Tamsyn Montagnon(著書). Molecules That Changed the World: A Brief History of the Art and Science of Synthesis and its Impact on Society. Vch Verlagsgesellschaft Mbh;2008. (リンク)

野依良治とEJコーリーの二人のノーベル賞化学者が推薦文を添え、大写しの写真がページの大半を占める絵本。この本では28名の日本人化学者(下記)の業績が顔写真入りで紹介されている。

  • 北大:鈴木章(理卒、北大工)、清水譲(薬卒、ロードアイランド大)
  • 東北大:赤堀四郎(理卒、阪大理)、正宗悟(理卒、MIT)、平間正博(理卒、東北大理)、遠藤章(農卒、三共、農工大)
  • 東大:平田義正(理卒、名大理)、根岸栄一(理卒、パデユー大)、Ojima, Iwao(理卒、ニューヨーク州大ストーニーブルック)、柴崎正勝(薬卒、東大薬)
  • 東工大:桑島功(理卒)、向山光昭(理卒、東工大理、東大理)
  • 名大:岸義人(理卒、名大農、ハーバード大)、中西香爾(理卒、東北大、コロンビア大)、福山透(農卒、ハーバード大、東大薬)
  • 京大:野崎一(工卒、京大工)、福井謙一(工卒、京大工)、檜山為次郎(工卒、京大工)、野依良治(工卒、名大工)、辻二郎(理卒、東レ、東工大工)
  • その他:大村智(山梨大卒、北里研)、香月勗(九大理卒、MIT、九大理)、金子takushi (出身不明)、Pfeizer Global Research and Development)

顔ぶれから目につくことは、京大工出身者の中から2人のノーベル賞化学者が出ているのに、理薬農からは一人もでていないこと、京大工以外では東北大理、東大理、東工大理、名大理が目立つことなど。戦後できた名大農には同大理出身の優秀な化学者がいたが、「外の血」を入れた新鮮な雰囲気の中から福山透のような優秀な化学者が出たものと思う。私(遠藤)が東北大在学当時、農芸化学科には化学系の講座がなく、化学の講義はすべて理学部化学科の先生から受けた。お陰で、農芸化学らしさには欠けるが、視野が広くなったと思う。福山、遠藤以外には農学出身が一人もいない、薬学出身も少ない。

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